2015年05月24日
苔生す空間
月に一回程度という頻度で「苔をみる旅」という旅を企画、開催しておりますが、
その目的の一つに、苔が生している空間に参加者の方をお連れするというのがあります。
そして、苔生す空間に身を置いた時に何かを感じ取って頂けたらなあと思っています。
下の写真は、東京あきる野市にある大滝という滝です。
最寄りのバス亭から徒歩で45分も掛かるので、苔をみる旅の目的地に中々しづらいのですが、
とても素敵な場所です。

苔生す空間ー大滝1(東京都あきる野市)

苔生す空間ー大滝2(東京都あきる野市)

苔生す空間ー大滝3(東京都あきる野市)
その目的の一つに、苔が生している空間に参加者の方をお連れするというのがあります。
そして、苔生す空間に身を置いた時に何かを感じ取って頂けたらなあと思っています。
下の写真は、東京あきる野市にある大滝という滝です。
最寄りのバス亭から徒歩で45分も掛かるので、苔をみる旅の目的地に中々しづらいのですが、
とても素敵な場所です。
苔生す空間ー大滝1(東京都あきる野市)
苔生す空間ー大滝2(東京都あきる野市)
苔生す空間ー大滝3(東京都あきる野市)
Posted by 上野健 at
11:59
2015年05月19日
スギバミズゴケの造形
前記事でスギバミズゴケの色彩について述べたが、
今回はその造形について。
ミズゴケの中には小型で成長が遅い代わりに、
植物体が分解されにくいという性質をもつ種が存在している。
これらのミズゴケは、湿原において微小な盛り上がり、小丘(ハンモック)を造る。
スギバミズゴケも小丘を造る種類の一つである。

スギバミズゴケが造る小丘(北海道標津湿原)。
ミズゴケの中に生えている緑色のコケはスギゴケ。

スギバミズゴケが造る小丘(同上)。
スギバミズゴケの中に混じって生えている茶色いミズゴケは、チャミズゴケ。
この全体のもこもこ感、丸味を帯びた形が何とも癒やし系である。
今回はその造形について。
ミズゴケの中には小型で成長が遅い代わりに、
植物体が分解されにくいという性質をもつ種が存在している。
これらのミズゴケは、湿原において微小な盛り上がり、小丘(ハンモック)を造る。
スギバミズゴケも小丘を造る種類の一つである。
スギバミズゴケが造る小丘(北海道標津湿原)。
ミズゴケの中に生えている緑色のコケはスギゴケ。
スギバミズゴケが造る小丘(同上)。
スギバミズゴケの中に混じって生えている茶色いミズゴケは、チャミズゴケ。
この全体のもこもこ感、丸味を帯びた形が何とも癒やし系である。
Posted by 上野健 at
14:14
2015年05月16日
スギバミズゴケの色彩
ミズゴケ類Sphagnumの中には赤い色素を含有する種類がいくつか存在するが、
スギバミズゴケSphagnum capillifoliumもその一つである。
ただ、スギバミズゴケにおける赤い色素の保持量や発現の度合いは、
個体や生育環境によって異なる。
そしてそのことは、コロニー状になったスギバミズゴケにえも言われぬ美しい色彩を与える。

スギバミズゴケのコロニー(北海道標津湿原)。

スギバミズゴケのコロニー表面(同上)。

色彩が美しいスギバミズゴケ(同上)。
全体的に白っぽくみえるのは、
透明細胞という水を貯める細胞から水分が若干失われているからである。
水分含量の変化によって色彩が異なってくるところも面白い。
スギバミズゴケSphagnum capillifoliumもその一つである。
ただ、スギバミズゴケにおける赤い色素の保持量や発現の度合いは、
個体や生育環境によって異なる。
そしてそのことは、コロニー状になったスギバミズゴケにえも言われぬ美しい色彩を与える。
スギバミズゴケのコロニー(北海道標津湿原)。
スギバミズゴケのコロニー表面(同上)。
色彩が美しいスギバミズゴケ(同上)。
全体的に白っぽくみえるのは、
透明細胞という水を貯める細胞から水分が若干失われているからである。
水分含量の変化によって色彩が異なってくるところも面白い。
Posted by 上野健 at
15:25
2015年05月13日
光の受け取り方
コケもれっきとした植物なので、
光合成をするために光をどう受けるかということが生きる上で重要になってきます。
植物の光の受け取り方は、
「葉」を光に対してどう向けるかということと、
「茎」をどう伸ばすか、或いは「枝」をどう拡げるかということで大体決まってきます。
コケの場合、「葉」の向きが大事な要素になる場合もありますが、
それよりも「茎」や「枝」の伸ばし方や拡げ方の方が大事になってくると思います。
ほぼ同じ光条件の場所に生育しながら、
コケの種類によって光の受け取り方が違っているのが面白いです。

湿原に生えるウマスギゴケ(ブラシのように立っている種)、ダチョウゴケ(枝分かれしている種)、ヌマシッポゴケ(葉だけが立っているように見える種)ー北海道標津町。
ウマスギゴケは上に、上に。ダチョウゴケは横に這って何とか枝を拡げようと。
ヌマシッポゴケは葉をすこしでも上に、という感じでしょうか。

同じ場所に生育していながら目指す方向性が違うのが面白い。

ダチョウゴケとウマスギゴケのせめぎ合い。

ダチョウゴケが光が来る方向に対して枝を拡げています。
それでもウマスギゴケとヌマシッポゴケは上に上に。
光合成をするために光をどう受けるかということが生きる上で重要になってきます。
植物の光の受け取り方は、
「葉」を光に対してどう向けるかということと、
「茎」をどう伸ばすか、或いは「枝」をどう拡げるかということで大体決まってきます。
コケの場合、「葉」の向きが大事な要素になる場合もありますが、
それよりも「茎」や「枝」の伸ばし方や拡げ方の方が大事になってくると思います。
ほぼ同じ光条件の場所に生育しながら、
コケの種類によって光の受け取り方が違っているのが面白いです。
湿原に生えるウマスギゴケ(ブラシのように立っている種)、ダチョウゴケ(枝分かれしている種)、ヌマシッポゴケ(葉だけが立っているように見える種)ー北海道標津町。
ウマスギゴケは上に、上に。ダチョウゴケは横に這って何とか枝を拡げようと。
ヌマシッポゴケは葉をすこしでも上に、という感じでしょうか。
同じ場所に生育していながら目指す方向性が違うのが面白い。
ダチョウゴケとウマスギゴケのせめぎ合い。
ダチョウゴケが光が来る方向に対して枝を拡げています。
それでもウマスギゴケとヌマシッポゴケは上に上に。
Posted by 上野健 at
11:51
2015年05月08日
八ヶ岳での苔の観察会(北八ヶ岳苔の会主催)のお知らせ
年に4~6回開催されている北八ヶ岳苔の会主催による苔の観察会ですが、
今年は以下の日程で開催されるようです。興味のある方は、直接山小屋にお問い合わせください。
山小屋ごとに観察ポイント、趣向が異なるところが面白いです。
北八ヶ岳苔の会主催の苔の観察会2015
http://www.kitayatsu.net/
第1回:6月13-14日(講師:上野 健先生、受付:高見石小屋 Tel: 090-3215-0135)
第2回:6月27-28日(講師:樋口正信先生、受付:白駒荘 Tel: 090-1549-0605)
第3回:8月22-23日(講師:樋口正信先生、受付:青苔荘 Tel: 090-1423-2725)
第4回:9月26-27日(講師:樋口正信先生、受付:麦草ヒュッテ Tel: 090-7426-0036)

チシマシッポゴケ(北八ヶ岳)
八ヶ岳での暮らしやアクティビティを紹介している雑誌「八ヶ岳デイズ」にも紹介されています。

http://www.geibunsha.co.jp/shoseki/yatsugatake_2015spring.html
今年は以下の日程で開催されるようです。興味のある方は、直接山小屋にお問い合わせください。
山小屋ごとに観察ポイント、趣向が異なるところが面白いです。
北八ヶ岳苔の会主催の苔の観察会2015
http://www.kitayatsu.net/
第1回:6月13-14日(講師:上野 健先生、受付:高見石小屋 Tel: 090-3215-0135)
第2回:6月27-28日(講師:樋口正信先生、受付:白駒荘 Tel: 090-1549-0605)
第3回:8月22-23日(講師:樋口正信先生、受付:青苔荘 Tel: 090-1423-2725)
第4回:9月26-27日(講師:樋口正信先生、受付:麦草ヒュッテ Tel: 090-7426-0036)
チシマシッポゴケ(北八ヶ岳)
八ヶ岳での暮らしやアクティビティを紹介している雑誌「八ヶ岳デイズ」にも紹介されています。

http://www.geibunsha.co.jp/shoseki/yatsugatake_2015spring.html
Posted by 上野健 at
10:04
2015年05月05日
コケを食べる蛾の幼虫
昆虫のうち、半分近くが植物をエサにして生活しており、
コケを食べる昆虫の例もいくつか知られている。
ただ、エサとしてコケに依存している昆虫の割合は、植物を食べる昆虫全体の中では極めて少ないらしい。
それでも、コケを野外で観察していると、昆虫がコケを食べている場面に出会すことがある。
種名も分からないし、コケだけを食べているのかどうかも分からないので、
学術的な報告は全く出来ないけれど・・・。

セン類(種名不明)を食べる蛾の幼虫(東京・等々力渓谷にて)。
(8月13日追記)
ナガハシゴケではないかと、奈良のKさんに教えて頂きました。
ありがとうございます。

タイ類ハタケゴケを食べる蛾の幼虫(東京・神代湿生植物園にて)。

セン類ヤリノホゴケを食べる蛾の幼虫(北海道・釧路湿原にて)
その拡大。

セン類ヤリノホゴケを食べる蛾の幼虫(北海道・釧路湿原にて)
コケを食べる昆虫の例もいくつか知られている。
ただ、エサとしてコケに依存している昆虫の割合は、植物を食べる昆虫全体の中では極めて少ないらしい。
それでも、コケを野外で観察していると、昆虫がコケを食べている場面に出会すことがある。
種名も分からないし、コケだけを食べているのかどうかも分からないので、
学術的な報告は全く出来ないけれど・・・。
セン類(種名不明)を食べる蛾の幼虫(東京・等々力渓谷にて)。
(8月13日追記)
ナガハシゴケではないかと、奈良のKさんに教えて頂きました。
ありがとうございます。
タイ類ハタケゴケを食べる蛾の幼虫(東京・神代湿生植物園にて)。
セン類ヤリノホゴケを食べる蛾の幼虫(北海道・釧路湿原にて)
その拡大。
セン類ヤリノホゴケを食べる蛾の幼虫(北海道・釧路湿原にて)
Posted by 上野健 at
23:30
2015年05月02日
苔をみる旅Act.17のご案内
風薫る五月、都心のオアシスでゆったり「苔をみる」という行為を通して自然と戯れてみませんか?
いつもと違う自然な空間、時間の流れの中に身を置くことで新たな発見があるかもしれません。
苔をみる旅Act.17 では、東京・世田谷区にある渓谷、等々力渓谷を訪れたいと思います。
「苔をみる旅」でこの地を訪れるのは今回で3度目なので、「また?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、若干季節が後ろにずれているのでこれまでとは違った苔たちの様子がみられるのではと期待しています。
皆さまからのお問い合わせ、お申し込みをお待ちしております。

等々力渓谷にある不動の滝。
*********************************************
苔をみる旅Act.17
「等々力渓谷」
日時:5月30日(土)10:30~16:00頃(途中で昼食を挟みます)
集合、解散:東急大井町線等々力駅改札
参加費:3000円
定員:7名
お問い合わせ、お申し込み先:sanionia@nifty.com(上野)
*********************************************
苔をみる旅、それは足もとの自然を巡る旅。
いつもと違う自然な空間、時間の流れの中に身を置くことで新たな発見があるかもしれません。
苔をみる旅Act.17 では、東京・世田谷区にある渓谷、等々力渓谷を訪れたいと思います。
「苔をみる旅」でこの地を訪れるのは今回で3度目なので、「また?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、若干季節が後ろにずれているのでこれまでとは違った苔たちの様子がみられるのではと期待しています。
皆さまからのお問い合わせ、お申し込みをお待ちしております。
等々力渓谷にある不動の滝。
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苔をみる旅Act.17
「等々力渓谷」
日時:5月30日(土)10:30~16:00頃(途中で昼食を挟みます)
集合、解散:東急大井町線等々力駅改札
参加費:3000円
定員:7名
お問い合わせ、お申し込み先:sanionia@nifty.com(上野)
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苔をみる旅、それは足もとの自然を巡る旅。
Posted by 上野健 at
11:39