2007年10月23日

ヒカリゴケ

週に一回授業を担当している大学で先日、ある先生が「これはヒカリゴケですかね?なかなか光らないんですけど・・・。」と一つの鉢植えを持ってきた。私がコケを研究していると聞いて訪ねてきたらしい。その鉢植えは知人に頂いたようだ。ヒカリゴケが鉢植えとして存在しているのかと素直に驚き、持ってきた鉢植えを嬉々として見せてもらった。が、そこに植わっていたのはシダ植物のクラマゴケの仲間であった。なに?明らかにコケ植物のヒカリゴケではないのだが、鉢植えには「ヒカリゴケSchistostega pennata」○○農園(農園の名前は忘れた)というプレートがしっかり刺さっていた。なるほど、それでか。この鉢植えを売っている、または栽培している業者はどういう商売をしているのでしょうね。植わっている植物を本当にヒカリゴケだと思っていたり、クラマゴケのことをある地域ではヒカリゴケと呼んでいるのでしょうかね。と書いたところで、ネットで「ヒカリゴケ」が販売されているのか調べてみた。あった。シダ植物のクラマゴケの仲間をどうやら一部の園芸屋さんは「ヒカリゴケ」と呼んでいるらしい。でも学名まで書いちゃってますからね。かっこいいと思ったのでしょうか。蛇足でしたね。学名は一つの種に一つの名が当てられていますからね。Schistostega pennataという学名を書いちゃうと、コケ植物のヒカリゴケを指すことになりますからね。「幸福の木」とかのノリで、クラマゴケの仲間を「ヒカリゴケ」と銘打っているのでしょうが、紛らわしいですね。コケ植物のヒカリゴケだと騙される人がいるのですから・・・。

ヒカリゴケについては以下参照。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%B4%E3%82%B1  

Posted by 上野健 at 16:12