2011年12月25日

ミニチュアのツリー?

今日はクリスマス。
クリスマスツリーにはモミやトウヒの木が使われますが、もし、コケを使ってミニチュアのクリスマスツリーを作るんだったら、ホンシノブゴケが材料候補の一つに入ってくるでしょう。


ホンシノブゴケBryonoguchia molkenboeri



シュートを拡大してみると、主軸から枝が四方に出ているのが分ります。樹木っぽい。



落ち葉が積もった地面にホンシノブゴケがコロニーを作っている様子。
枯れた落ち葉とのコントラストがいい感じ。


倒木上のホンシノブゴケ。これまたいい感じ。
上記写真は、すべて北海道のポンポン山。
メリークリスマス。  

Posted by 上野健 at 17:42

2011年12月18日

コケの環境形成能力

植物は、生えている場所の環境をがらりと変えてしまう能力をもっている。
コケ植物も例外ではない。
もちろん、植物によって生えている場所に与える影響は様々である。
コケ植物はというと、生態学的には保水力を高めたり、小さな動物たちに棲みかや産卵場所を提供したり、または維管束植物の苗床となったりと色々な効果が挙げられると思うのだが、何と言っても、「癒しの空間」を作り上げることではないかと、最近つくづく思う。



北海道釧路湿原キラコタン岬の湧水地。
量的にはそれほど多くはないのだが、倒木や砂が堆積した場所にコケ植物が生えている。
それだけでも、独特の癒し空間が出現してしまう。
これはその場に立ってみなければ、分らないことだろう。写真ではうまく伝わらないかも。



上と同じ場所の寄り写真。



さらに寄り。




生えているコケは、ミズシダゴケが優占。



ミズシダゴケ。



そこに、フロウソウも混じる。なんともかわいい。



  

Posted by 上野健 at 23:58

2011年12月11日

加湿器


我が家でたまに活躍する加湿器です。
「ミスティガーデン」という商品です。
使い方は、プラスチックのトレーに水を張り、植物の形に切れ込みが入っている「フィルター」を入れるだけ。
トレーの中の水がフィルターに吸収され、フィルターから水が蒸発していくという仕組みです。
とても原始的です。
トレーにただ水を張るより何倍もの水を蒸発させ、切れ込みを細かくすればするほど、蒸発する水の量が増えるということ。水が蒸発していく面の面積を大きくするか、小さくするかということです。
コケのシュートの形やコロニーの形の原理に似てますよね。


トレーの中に水が入っていてフィルターもまだ全体的に湿っていても、先端部分は乾いています。色がちょっと変色していますね。この加湿器、コケの水分生理を考える上でもよい材料になりそうです。



湿地でシュートが疎らなコロニーを形成するオオササバゴケCalliergon giganteum
(カナダ北極エルズミア島)




乾燥地でシュートが密なコロニーを形成するシモフリゴケRacomitrium lanuginosum
(ノルウェー北極スピッツベルゲン島)

  

Posted by 上野健 at 23:28

2011年12月04日

コケの存在感

コケは、体が小さいながらも、圧倒的な存在感を持っている、と思う。
それは私が苔眼(こけめ)になっているから感じるという訳だけではないだろう。


ミズナラの古木(北海道釧路湿原キラコタン岬)。





その幹にコケが生していると、古木に何とも言いない味わいをもたすことになる。
もちろん、体の大きな樹木に存在感があるのは言わずもがな。



コケの種類は、シッポゴケ属の仲間(Dicranum sp.)。
地衣類も着いているのだけど・・・。




コケとシダの組み合わせもいいですね。
シダの種類はミヤマノキシノブ。  

Posted by 上野健 at 11:04