2009年06月13日

低地vs高山

当たり前のことだが、標高400m(低地)と標高2700m(高山)では環境条件が全く異なる。
ところが、植物によっては同じ種が低地から高山まで分布することがある。コケ植物では決して珍しいことではない。下の写真に示されるミズシダゴケもその一つだ。
ミズシダゴケは、よくdesiccation intorelance species(脱水耐性をもたない種)として扱われ、脱水耐性をもつ種と比較するための研究材料として使われている。脱水耐性をもたないというのがどの程度か分からないが、確かにその生育地は水がしみ出したり、湧き出ている場所が多い。下の写真に写っている低地と高山のミズシダゴケの生育場所も共通して水が湧き出ている場所だった。かといって、同じような環境条件で生育しているわけではないのだ。気温、紫外線量、生育期間、積雪量、二酸化炭素量など、異なると予想される環境条件はたくさん挙げられ、高山ほど植物の生育条件は厳しい。ミズシダゴケは、高山環境にどのように対応しているのだろうか?とても興味がそそられるテーマである。

低地vs高山
標高約2700m(南アルプス・間ノ岳)でみられたミズシダゴケのコロニー。

低地vs高山
上記コロニーのアップ。


低地vs高山
標高約400m(東京・桧原村)でみられたミズシダゴケのコロニー。

低地vs高山
上記コロニーのアップ。


概観して、外形に何か違いがあります?









Posted by 上野健 at 12:26
この記事へのコメント
強いて言えば、低地の写真方がコケの枝の密度が低そうです。高山だと寒さに耐えなければいけないので密集するかもしれません。
Posted by 区区 at 2009年09月12日 11:42

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低地vs高山