2012年02月17日
コケの森に暮らすコオロギたち
ここは、北海道弟子屈町にあるポンポン山。
火山活動によって地面が温められ、冬でも雪が積もらない場所です。
ところどころからは、蒸気も噴き出しています。
噴き出す蒸気。写真のなかのもやもやっとした白いものが蒸気です。
蒸気が噴き出している場所は火山ガスの影響でしょうか、
背の高くなる維管束植物がほとんど生えていません。
その代わりに主役となっているのがコケ植物です。写真のコケはスギゴケ。
蒸気が水分を供給してくれるので、体の表面で水を吸収するコケ植物にとっては理想的な生育環境です。
ですから、ポンポン山には、色々なタイプのコケ群落がみられます。
ミニチュアの森です。写真はスギゴケの森。
シッポゴケ属のコケの森。
これもシッポゴケ属の森かな?
これは、ハイゴケの森。
さて、これらのコケの森には、ちょっと変わったコオロギが暮らしていることが知られています。
「ちょっと変わった」というのは、珍しい、稀少なという意味ではありません。
じつは、ここのコオロギたちは、極寒の北海道に居ながら、冬でも成虫として暮らしているのです。
そういう意味でちょっと変わっています。
火山活動のおかげですね。
どういうコオロギが暮らしているのでしょうね。
まずは、マダラスズというコオロギがいます。脚にしま模様があるのが特徴みたいです。
写真のコケは、ギボウシゴケの仲間かな?
こちらもマダラスズ。枯れたスギゴケ、タイ類の仲間もいますね。
このスギゴケの森のなかにいるコオロギは、マダラスズとはちょっと違うようです。
ツヅレサセコオロギでしょうか?違うかもしれません。
まあ種類はどうであれ、かわいらしいです。
ハイゴケの森のなかのツヅレサセコオロギ(?)。
最後に、コオロギの生態的特徴が記された看板の写真を載せて終わります。
ポンポン山にあるコオロギの学術的価値を説明する看板。
説明文を拡大しました。
絵の拡大。マダラスズのイラストがいい感じ。
ポンポン山の記事を書いている途中で、朝日新聞のデジタル版にポンポン山の記事を見つけました。
タイムリーです。
以下参照。
http://www.asahi.com/eco/news/TKY201201280419.html
ポンポン山は、「コケの楽園」であり、「コオロギの楽園」であり、「哺乳動物たちの楽園」でもあるのですね。
大地と生き物の繋がりを分かりやすい形で示してくれる貴重な場所です。
Posted by 上野健 at
18:06